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大切に思っているふたつのこと
- ペットちゃんに最適な獣医療を提供するため特に大切と考えている点は
飼い主さんがペットちゃんを普段からよく観察すること
- 健康な時のペットちゃんの様子を知ることが病気や異常を早期に発見するのに役立ちます。どのような点に注意して観察すべきかは診察の際にご提案します。
- 正常を知っているので異常がわかります。正常が何なのか飼い主さんがお分かりいただける範囲で意識していただけるようにお伝えします。毎日病気のことばかり考えているのは心配が増しますが、大きな安心のためには毎日少しずつ注意を払ってあげるといいですね。
- 最もわかりやすい健康チェックの方法に肥満度があります。明らかにやせているや太っているのはわかりますが、微妙な変化は難しいかもしれません。ヒト用の現在の体重計はかなり正確なので一緒に抱っこして計ってご自分分を引き算すれば体重は少しの誤差でわかります。
- また、一日の飲水量も健康チェックのよい指標です。「たくさんのみます」より「一日300ccです」のほうが比較ができます。
- さらに便の状態も観察すると健康状態が探れます。「この子は小さいころからやわらかい便をする」はもしかしたら「食物アレルギー」や「寄生虫症」かもしれません。
- 難しくないご自宅でできる健康チェック法はたくさんあります。我々と力を合わせて健康チェックを日常に取り入れましょう。
当院が健康時のペットちゃんを十分理解していること
- もうひとつ重要なのが私たちクリニックが健康時のペットちゃんの健康状態や性格などをしっかりと把握することです。さらに普段から飼い主さんとお知り合いになるといざとなったときコミュニケーションがスムーズとなるでしょう。
- 正常を知ることの重要性はペットちゃんの特性にも関係します。ペットちゃんは自分の弱いところすなわち病気を隠そうとします。人間でもそうかもしれませんが、元気を装います。それを探るのが我々の責務ですが、正常を知っていればより異常を隠していてもわかりやすいです。
- また、ペットちゃんの性格を健康時から知っておくと痛いのかただ触られたくないのかがわかります。こわくて震えているのか不快(痛み・発熱など)なのか健康時を知っていれば察することが可能です。
- ペットちゃんの病歴や体質は飼い主さん頼りということも度々あります。ペットちゃんが健康時で飼い主さんにも緊迫感がないときはお話もスムーズですが、緊急時や病気のときは何かと戸惑うものです。
- そのためにもペットちゃんの健康時から獣医師と交流することは「いざというとき」にうまくことが運ぶことが多いようです。
- 定期的な血液検査や尿・便検査がつねに勧められるわけでもありませんが、正常値にある一定のばらつきがあるのも事実です。血液中の白血球(体を外敵から守る血液成分)の正常値は2から3倍ほどの開きがあります。肝臓の酵素の値も3倍ほどの正常値の幅があります。
- 少なくとも健康時からペットちゃんと飼い主さんが獣医師と健康時から接しておくことは病気や怪我のときはきっとよい手助けとなるでしょう。